島根県建設技術協会
会長 今岡 幸延
今年は新年早々に石川県の能登半島において最大震度7を記録する地震、津波が発生し、甚大な被害が発生しました。過去には島根県においても平成30年4月に大田市を中心に最大震度5強を観測する地震が発生していることもあり、地震を含め災害に強い県土づくりの重要性を改めて感じているところです。
本県では「今後10年間の公共土木事業の実施方針」を踏まえ、緊急輸送道路の橋梁耐震化や落石対策、河川整備や土砂災害対策などのハード整備に鋭意取り組んでいるところでありますが、ソフト対策としても、浸水想定区域や土砂災害(特別)警戒区域の指定(2巡目)、津波災害警戒区域の指定、河川監視カメラの増設など、より一層の防災情報の充実に取り組んでいます。
一方で、県内の建設産業においては、就業者の減少や高齢化の進行により、担い手不足や技術承継が大きな課題となっています。
本県では、「しまねの建設担い手の確保・育成へ向けた取組(アクションプラン)」を昨年3月に作成し、週休2日工事の導入などによる処遇の改善、ICT活用工事の普及促進などによる生産性の向上、さらには建設産業の魅力・働き甲斐の積極的なプロモーションなど、産学官の連携による課題解決のための取組を強化しました。「ミライビルダーズ~まもる×つくる×つなぐ~」を取組のイメージマークとして作成し、SNS等を活用した建設産業の魅力発信事業に県も主体となって取り組むことにより、建設産業を取り巻く情勢の変化に対応しながら、担い手の確保や育成を進めているところです。
ここ数年、若手土木技術職員の採用も増加してきておりますが、若手会員の皆様には、遠隔臨場システムや工事データ共有システム(ASP)、ドローンを活用した災害調査などDX(デジタル・トランスフォーメーション)を積極的に活用し、より一層の業務効率の向上に取り組んで頂きたいと思います。
昨年5月に新型コロナウィルス感染症の感染法上の取り扱いが5類へ引き下げられたことに伴い、県内でも徐々にこれまでの日常生活を取り戻しつつあります。また、令和3年7月の梅雨前線豪雨や8月の台風9号による大雨災害の復旧についても、今年度末で全体の約9割の箇所での復旧完了を目指して取り組んでいます。
これまでコロナ禍や災害復旧対応等で縮小を余儀なくされていた島建活動についても、今後少しずつでも再開し、本協会の活性化に繋げていきたいと考えておりますので、会員の皆様もご協力頂きますようお願い致します。
終わりに、本協会の発展と会員の皆様方の益々のご活躍を心より祈念し、ご挨拶と致します。